真っ暗な朝にすっかり慣れ、アイスランド東部〜北部を目指します。
天気予報はみぞれで、道路状況はwet snowの予報。
走りはじめてみると、思っていたより地面には雪が積もっています。
道路には先に車が走った跡があり、予定通り進めると判断。
1号線をただひたすらずっと走らせます。
1時間走っても車1台もすれ違わない、孤独なドライブ。
暗闇の中、わずかに遠くに見える点状の光は、人家か車かわかりません。深い夜空の中、目を凝らしてやっと見える星のよう。
自分では意識していない場面で車のABSが何回か作動していました。
そして本当にハンドルをとられかける場面が何回か…
日本ではほとんどお世話にならなってこなかった(と思う)ABSはこういう時に役に立つのね。
50km/h程度でしか運転できませんでした。
海岸に接する隆起した巨大な山々は迫力満点。
雪を被った縞模様が大変美しいです。
少し明るくなってきた頃(まだ日の出前)、人気のない街を通り過ぎます。
フィヨルドの入り組んだ海には養殖用の大きな円形のいけすが。
サーモンか何か養殖しているのかな。
状態の悪い雪面道路では道路の真ん中や先行車の走ったタイヤ跡をなぞるように進みたいのですが、アイスランド東部の道路は小さな上り下りがあり、見通しが(南部の直線道路に比べたら)悪いです。
登り坂では対向車が来る可能性を考え、右側通行を遵守…(ほとんど対向車は来なかったけど)
出発前に天気予報や道路状況から想像していたよりも道の状態は悪く、予定より遅いペースになっていました。
東部アイスランドの見所(滝など)はパス。
移動日と割りきり、北部を目指しました。
移動日といっても、車を走らせているだけでも、道中次々と目に映る景色はどれも一生ものの絶景でした。
この日の天候の要素もあるとは思いますが、西部~南部とは違って、東部は寂しい感じです。すごく自分好みな風景でした。
圧倒されまくる雪景色…気になる方はぜひ、冬のアイスランドを直接確かめてみてください。
東部一の町を過ぎると氷点下続き、道路はカチコチに固まってくれていて、走りやすい道が続きました。
白い山と広がる雪平原の写真をパシャパシャと撮りましたが…写真ではよくわかりませんね…。
この日は積雪量が多く、山も、平原も、道路も一緒に真っ白。
森林のないアイスランドの山も綺麗に真っ白で、一面真っ白の世界を進んでいく状態です。
真っ白すぎて山と空の境界も不明瞭で、本当に真っ白の世界。
ずっと真っ白。
ずっと真っ白。
ひたすら真っ白。
こう表現すると退屈そう?に思うかもしれませんが、いいえいいえ。ずっとひたすら真っ白な絶景を贅沢にこれでもかと楽しみました。
そして町の外に出るとまたすぐに真っ白の中に黒い道がぽつんと伸びる景色に。
吹雪というわけでもないのに視界はなんだかよろしくない。
時折すれ違う対向車の存在はヘッドライトでわかりました。
東部~北部の移動中、すれ違った車は100kmくらい進んでも片手の指を折るくらいでした。
回りに高い山もなく、真っ白の雪原を突き進む道路。
これだけでも絶景。
真っ白すぎて何か対象物と撮っても、その絶景のすごさがさっぱりわからない……
雪のなか、さみしいミズゴロウの図。
さらに進んだところに、思いがけない絶景スポットを見つけました。
平原に囲まれた、開けた大地をまっすぐ進む場所です。
荒い岩肌と白雪のコントラストが綺麗な景色を360度楽しめます。
映画『インターステラー』に出てくる星(メインビジュアルにもなっている)のような異世界感です…!
冬のアイスランドに行く方にはぜひ立ち寄って欲しいスポット!
場所は1号線と901号線が合流する手前(東側)あたりです(↑地図参照)。
特に名前のある観光スポットではないですが、このあたりを走っていれば嫌でも景色が目に映ってわかるはずです。
ただひたすら車を走らせ、楽しいながらも多少疲労が溜まっていましたが、予想外の絶景にリフレッシュできました。
こんなに頑丈に作るのに、車2台同時に通行できるくらいの幅にしなかったのはなぜだろう?ナゾ。
白銀の世界が100kmくらいは続いたでしょうか…
徐々に暗くなり始めたかと思うと、あっという間にスッと真っ暗に。
日がすっかり沈んだ頃、湖のまち、レイキャフリーズにつきました。
ここまで暗くなってしまってはあまり見えないので地獄の窯みたいな観光地だけみていくことに。
ところが……
なんだかその観光地への小さな道路がかなり積雪していてオフロード状態。
当然街灯もなく、心もとない道のりです。
タイヤ跡を目印にそろそろ車を進めると…
途中でスタックしている車を発見!
慌てて加勢して力一杯車を押し、なんとか脱出成功。どうもその車は2輪車だったよう。
イタリアから来た人だったかな。ちょっとお話しして、お礼を何度も言われてお別れ。
私が借りていたレンタカーは4輪駆動でこの先も進めるのですが、辺りが真っ暗になってしまったため、諦めて次の町に向かうことに。
北部の有名な滝は道路閉鎖で近づくことすらできず諦め、人助けできてよかったねと言い聞かせながらハンドルを握りました。
なかなかの吹雪の夜道をもう一越えして、
北部最大の町、アークレイリに到着しました。
すっかり日が沈んだ青黒い闇のなかに久しぶりの賑やかな街明かりを見ました。流石に数百kmのドライブは疲れました。
レイキャビクと同様、大きな無骨な教会が。ルーテル教会というそう。
教会から見下ろす夜景が素敵でした。
港町、風が強いなーと思いながら一泊。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-Tips-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
・冬のアイスランド東部経由で北部に行く際は基本雪道
・雪道運転に自信のない人にはおすすめしない
・次の町まで何も無い道が30~50km続くので燃料&トイレに注意!
・東部~北部間の雪景色おすすめ!
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